江戸の暮らしが息づく技と美
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日本金工デザインスクール

東京銀器 西山文章




数百種類の道具を使い、食器からジュエリーまで、さまざまな物を生み出す鍛金の技
 帝釈天でお馴染みの葛飾柴又の西どなり、高砂。その京成高砂駅から南へ歩いて10分のところに鍛金マイスター西山文章さんの工房がある。
 伝統工芸の東京銀器といっても、さまざまな技法がある。その一つで、もっとも大切な技法が、銀の伸張性を利用して、編み出された鍛金法だ。一枚の銀板からさまざまな造形を叩き出すこの技は、食器をはじめ、アクセサリーまでその扱う範囲は広い。
 西山さんは、父親から鍛金法を学んだ。幼い頃から、その技を父に仕込まれ、友達が遊びに行くのをうらやましく思いながら、毎日、父を手伝っていたという。鍛金法の習得には、道具の使い方を覚えるだけで、たいへんな労力がかかる。父としては早くから仕込まねばという思いがあったのかもしれないと彼はいう。確かに数ある伝統工芸の中でも、使う道具の種類において群を抜く西山さんの工房には、数百種類のあて金や金槌がところ狭しと並ぶ。
 「銀器はね、何を作らなきゃいけないという決まりがないんです。自由だからね。そこが楽しい。でも、同時にそこが難しいところでもあるんですよね」
 やわらかな物腰と人をほっとさせるような笑顔で西山さんは話す。確かに、西山さんの作品を見せてもらうと、食器や酒器に始まり、アクセサリーやミニチュア、果てには仏像から甲冑の置物までと、とにかく幅が広い。
 「職人だから、頼まれると何でも作っちゃうし。自分でも雑誌とか見ていて、あ、これ作ってみたいなと思うと作っちゃうから、増えちゃうんですよね」
 それだけ腕が確かだという証でもある。その腕を見込まれて、これまでISSEY MIYAKEをはじめ、さまざまなブランドやアーティストが西山さんを指名して、作品を一緒に作ってきた。

 ▲この机が西山さんの仕上げ作業場所。


 ▲たくさんのハンマー類と作業台。


 ▲壁一面にさまざまなあて金がずらりと並ぶ。



 ▲ミリ単位の細かな作業が続くことも多い。


 ▲こだわるのはシンプルな銀の魅力をいかに引き出すか。
さまざまなブランドやアーティストから信頼される、西山さんの人柄と技術力
 なかでも、西山さんにとって、東京芸術大学名誉教授で、日本画家の加山又造氏との仕事が今でも印象に残っているという。
 「加山さんは、総合芸術家で、ジュエリーもデザインしていたんです。あの時は、かなり大きなネックレスで、何度も加山さんの家に通ってね。デザイン画を何枚も何枚も渡されて、それを元に作っていくんだけど、鎖の形や微妙なところ、すべてに納得するまで妥協しない方だったんですね。たいへんだったけど、面白かったですよ」
 西山さん自身も、仕事に対して手を抜かないのが信条であり、そこが加山又造氏の全幅の信頼を得ていたのだろう。その仕事が評価され、西山さんは東京銀器の中でも、ジュエリーやアクセサリーを専門とするマイスターとして業界に知られていくようになる。1981年には、西山さん自身が、プラチナデザインコンテスト製作部門 プラチナギルド賞を受賞する。
 知名度が上がるにつれて、仕事は次々と舞い込んだが、西山さんには、実は別な夢もあった。鍛金の技術を広めたいという夢だ。そこで彼はデザインスクールを開く。そのスクールは、現在も続いており、さまざまな人が日本だけでなく、海外からも集まってくるという。
 「やっぱり、技術は伝えていきたいと思うんですよね。鍛金は日本が誇れる技術だと思うんで、若い人に受け継いでもらいたい思いがあります。日本人かどうかなんて、僕はどうでもいいんです。世界中に技術を広めたい思いがある」


国境を越えて伝えたい、それが西山さんの鍛金への思い

 ▲すべて鍛金で作り上げた酒器セット。


 ▲透かし彫りも西山さんが得意な技法の一つ。
 西山さんの鍛金技術を広めたいという願いは、思いがけないところで大きく広がることになる。
 経済産業省がサポートする発展途上国への技術支援プログラムにおいて、西山さんが鍛金法のマイスターとして選ばれ、技術指導者として派遣されることになったのだ。
 しかし、派遣先は社会主義国のラオス。期間は10ヶ月という長期。いろいろな迷いはあった。現在の日本での仕事も、一度リセットしなければならない。
 「最後は家族がね。賛成してくれたんで、決めました。僕の気持ちとしては、もうぜひ行きたいというのがあったんですよね。この技術を世界に広めたいというね」
 現地の企業に行ってみて、貧富の差を目の当たりにし、絶句したこともあったという。しかし、現地の人の人柄とまじめさにも驚いたという。
 「行ってよかったですよね。海外でも自分の技術が生かせるという確信も持てたし、それにラオスはビールがうまいし(笑)。今は日本に基盤を置いて、短期でタイとかインドネシアとかの技術指導を続けています。これからは自分の作品をもっと作っていきたいですね」
 海外での豊富な指導経験の影響なのだろうか、最近の西山さんの作品は、和と洋のどちらともいえない独特の雰囲気がある。長年のファンだという顧客の女性は、彼のアクセサリーは、和装、洋装、どちらにも合うとうれしそうに話す。
 その言葉を裏付けるように、西山作品ファンは日本だけでなく海外にも多い。現在、彼の作品は葛飾区伝統産業館が運営するeBayショップでも扱っている。それを見た人々が、作品を見に行きたいと遠くヨーロッパやアメリカからラブコールを送ってくるのだ。
今後、このサイトを通してさまざまな作品を発表していきたいという西山さん。幅広い作品作りがウリだけに、次に何が登場してくるのか、楽しみである。



東京銀器西山文章氏による、葛飾区産業フェアでの実演の様子です。

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