江戸の暮らしが息づく技と美

鶴岡錺工房

錺師 鶴岡錺工房



建築、神輿を補強し、華やかに飾る日本の伝統的装飾技法。
 建物を飾る飾金具。日本人にとって、建物や神輿を飾る金具はとても馴染み深いものです。国宝「法隆寺金堂」が最古のものといわれています。盛んになったのは安土桃山から江戸にかけて。柄もさまざまな物が生み出されるようになりました。素材としては、金銀が使われることもありますが、基本的には銅、真鍮が主です。
 それらを切り抜き、鏨(たがね)で細かい柄を彫り付けていきます。当初は建築への装飾が主な目的でしたが、神輿をはじめ、装飾だけでなく堤子など儀式で使われる道具類にも飾師の仕事は及びます。



昭和の初めより、親子二代に渡り、飾師の伝統的技法を現代に伝える。
鶴岡保氏
 鶴岡飾工房の仕事は、幅広い。日光の東照宮をはじめ、全国の東照宮の修復を手がけているし、中尊寺金色堂や伊勢神宮伊勢神宮御神宝、御帳台、鳳輦、その他神社などの文化財の丁度金具の修繕や製作も手がけている。舞楽・雅楽で身につける金具なども製作し宮内庁関係の仕事も多い。



鶴岡保氏よりコメント
 文化財の修繕は数十年に一度ですから、時代時代の職人同士の腕が比べられる仕事です。同じ職人同士ですから、昔の職人と言えども負けたくないし、後世まで残るものですので、納得できるまで、時間の許すかぎり作り直すことが多いんです。

 ▲結婚式で使われる堤子も錺師の仕事の一つ。



 ▲神輿の錺は、錺師の腕の見せ所である。

 ▲こうした建築美術に錺師は由来する。


鶴岡保氏 経歴
昭和47年 都立工芸高等学校を卒業後、家業を引き継ぐ。



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