江戸の暮らしが息づく技と美

檜垣彫金工芸

彫金 檜垣彫金工芸 檜垣隆博



はるか古墳時代までさかのぼる 伝統工芸の祖ともいえる彫金技術。
二代目宣夫氏作
 彫金の技術は悠久の歴史を持ち、古墳時代後期が起源とされています。江戸元禄時には、自由な発想と新鮮なデザインにより生活用品の中に広まりました。彫金はカンザシや指輪等の装身具、置物、神仏具などに施され、製品に格調と厚みを加え、素材本来の持ち味を引き立たせます。その技法には彫り(鏨(たがね)を使って地金に彫りをすること)、打ち出し(地金の延びや縮みを利用して叩いていくこと)、接合(地金どうしを金蝋等を使用して接合すること)、色金(地金を溶解炉の中で溶かして合金を作ること)、象嵌(違う種類の色金を加工して嵌めていくこと)などがあり、現在は地金から様々な技法を使って装身具を作る技術全般を指しています。



初代より受け継いだ技法を二代、三代と研鑽し、高めてきた檜垣彫金工芸。
檜垣隆博氏
 葛飾の地に店を構えたのが、二代目檜垣宣夫さん。それから60年以上もの間、彫金一筋に歩んできた。三代目隆博さんは、大学入学と同時に父に師事し、卒業後は、宝飾品会社で研鑽をした後、独立した。
 伝統的な彫金技術に加え、独自の編込み技術を開発。ジュエリーなどの装身具において高い評価を受けている。※写真は三代目隆博さん。



檜垣隆博氏よりコメント
 檜垣彫金工芸は、1910年代に祖父である檜垣銀蔵が足立区北千住で創業、2代目檜垣宣夫は独自の彫金技術を進化・発展させ、3代目檜垣隆博は「手編みジュエリー」という新たな分野を開拓して現在に至っています。
手編みジュエリー
 「手編みジュエリー」は、檜垣彫金工芸の創業以来の伝統的な工具・工法を現代的な感性と融合させることで生まれた新たな作風で、18金やプラチナ、銀などの貴金属を線状に加工して手作業で編み上げ装飾品を作る技術をいい、そのネーミングは“彫金”という言葉が曖昧に使用され、手彫りからワックス製品まで幅広く重層的な技術を意味する現在、よりわかりやすく焦点を絞った3代目檜垣隆博の発案によるものです。
 「手編みジュエリー」は平成27年に『葛飾ブランド』に認定されました。

 檜垣彫金工芸では、これまで自宅工房で製作された作品を主に三越・伊勢丹・タカシマヤなどの百貨店で開催されている職人展で実演・販売をしてまいりましたが、このたび店頭でお客様から寄せられるご要望にお応えしてインターネット販売にも参加させていただくことになりました。これを機に、これまで「手編みジュエリー」をご存じなかった遠方のお客様にも御覧いただけたら幸いです。

手編みジュエリー 檜垣隆博氏作
檜垣隆博氏 経歴
昭和35年 葛飾区生まれ(三代目)



■檜垣隆博氏の製作工程がご覧いただけます ※音が出ます
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